【読書感想文】「完璧なリーダー」は、もういらない。

今回は 「完璧なリーダー」は、もういらない。を読みました。

この本は、漫画「宇宙兄弟」のストーリーを抜粋・解説しながら、世間一般的に良しとされている「完璧なリーダー」は不要だということを解説している本です。 宇宙兄弟を読んだことがある人であればもちろん、知らない人でもエピソードからどのようなリーダーとして振舞うべきかを丁寧に解説してくれます。

全体を通して学ぶ点が多いのですが、今回は特に感心した3点をピックアップしたいと思います。

愚者風リーダーシップのススメ

この本では「賢者風リーダー」と「愚者風リーダー」の2パターンのリーダー像から、どのようにチームビルディングをしていくべきかを語られています。

「賢者風リーダー」は頭が良くて周りをグイグイと引っ張っていき、周りのメンバーは優秀な人物として従っていて、リーダーの指示に従っていく。一般的によくある「素晴らしいリーダー」を思い浮かべていただけると良いかと思います。そんな「賢者風リーダー」は「should(〜しなければならない)」で指示を出します。

対して「愚者風リーダー」はメンバーや周りに意見を求め、「こうしたい」といった意見で周りを巻き込んでいきます。そのため、メンバーは自分たちがリーダーを支えていると思うくらい頼りにされていないかもしれません。「愚者風リーダー」は「賢者風リーダー」のような的確な指示はなく「こうしてほしい・こうしたい」といったニュアンスで指示を伝えます。

なぜ「愚者風リーダー」がいいかというと、「賢者風リーダー」の引っ張るチームの場合、間違いをしてはいけないというプレッシャーが常に付きまといます。そして成功することが当然となり、周りと比較して成果にギャップがあると自分が評価されていないと感じてしまいます。

実際に私のチームで起きたことですが、「賢者風リーダー」的思想を持つ人の場合、自己顕示欲が強くて船頭になろうとマウントを取りたがります。そうするとだんだんとメンバーは自分の意見を言わなくなり、考えることをやめます。そしてこの「賢者風リーダー」的思想を持つ人がチームが課された課題を本質的に理解していない場合、誤った方向に導いてしまいまうことがあるでしょう。

そのようなことを起こさないためには「愚者風リーダー」思想を持っていたほうがいいでしょう。全員が1つの目標に対して何をすべきかを考え、なぜそれをするのかきちんとメンバーでコミュニケーションを取ることが大事です。

意見の対立には、反論よりも効果的な方法がある

人はどうしても主観的に物事を考えがちです。主観的な考えばかりを主張していると他のメンバーと揉めるでしょう。それが建設的な議論になるかどうかは「相手の目線に立ってみて、どのような理解になるのか」をお互いに考えないといけません。

この考え方、実はすごく難しいですよね。どうしても自分の意見を主張するために相手を否定し、反論しがちです。ですが、このようなやり方で議論をしても相手を淘汰しようとするだけで、現実的には前に進まないことが多いと思います。

「あとちょっとだけ頑張る」のすごいパワー

どうしても高い目標を達成しようとするために「今の倍頑張っていこう」といった日々の目標を立てたりする方も多いのではないでしょうか。確かにチームのメンバーが全員それをできるなら問題ないのですが、人数が多ければ多いだけ、その目標は達成できないでしょう。そのようなときには「今よりもあと少しだけ頑張ろう」といった目標にした方が達成できる可能性があるため良いです。 そしてこの考え方だと、継続率が高いと思われます。常にパフォーマンスを出すためにも、この考え方に習って「今よりもあと少しだけ頑張ろう」と常に一歩先の目標を短期的な目標にしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

このように「完璧なリーダー」は、もういらない。では、上記の3点以外にも素晴らしいリーダーに対する考え方を提唱してくれています。 もしも興味ある方がいたら、手にとって本書読んでみてください。