【読書感想文】マンガでやさしくわかるコーチング

今回読んだ本は「マンガでやさしくわかるコーチング」です。 「マンガでやさしくわかる〇〇」ってタイトルの本はたくさんありますね。そのシリーズの1冊だと思います。 著者はCTIジャパンで、コーチングプログラム等を運営している会社です。いわゆるコーチングに関するプロの方達が入門用にわかりやすくマンガを使って解説してくれています。

この本を選んだ背景を簡単に書くと、私はコーチングに関する本を読むのは初めての完全入門者で、近々部下(のような後輩のような)と一緒に働く予定があります。 そんな部下をフォローしながら自分の仕事をしなければならないそんな時に、「そういえばコーチングなんて技術があったな」といった具合でコーチングに関する入門書を探したところ、一番簡単そうな本がマンガでやさしくわかるコーチングでした。がっつり専門書を読んでもよかったのですが、サクサク読んで読書の量を増やしたいと思っていたことも理由の1つです。

概要

この本では、「コーアクティブ・コーチング」という手法を使ったコーチングをわかりやすく解説していて、誰でも1〜2時間あればコーチングに関する概要・主要なポイントがわかります。 一般的に「コーチ」と聞くと「何かを教える人」と言った意味かと思いますが、このコーアクティブ・コーチングはそうではありません。 お互いが対等のパートナーとして捉え、クライアント(コーチングを受ける人)の生きたい人生を生きられるようにサポートする、そういった事を行うのがコーアクティブ・コーチングです。

コーアクティブ・コーチングにはコーチング技術の礎として以下の4点を掲げています。

  1. 人は元々才知にあふれ、欠けることのない存在である
  2. 今この瞬間からつくる
  3. その人全てに焦点をあてる
  4. 本質的な変化を呼び起こす

これらはコーアクティブ・コーチングのそれぞれの技術においての全ての指針を示してくれています。興味のある方はぜひ「マンガでやさしくわかるコーチング」読んでみてください。

ここで、マンガでやさしくわかるコーチングを読んで、特に印象に残ったコーアクティブ・コーチングの技術をいくつかピックアップします。

反映のスキル、

反映のスキルとは、感じ取ったもの・相手が伝えてきたものをそのまま伝えることです。これを行うことによってクライアントは自分の状態や話したことを理解し、クライアントがより深く自分自身を考察できます。

私自身このようなコミュニケーションをとったことがないため、かなり意識して相手の会話を聞かないと難しいだろうと思いました。相手のしゃべる姿を観察して躊躇せずに素直な感想を伝える。シンプルですが難しそうです。

拡大質問(オープン/パワフル・クエスチョン)

相手の本心を引き出すための会話なので、もちろん質問を投げかけます。その際の良い質問はクライアント自身が初めて考えるような質問であればあるほどクライアントの気づきが多くなり、良い質問と言えるでしょう。

拡大質問とは、相手が潜在的に思っていることの核心に迫るための質問で、イエス・ノーでは答えられないような質問です。「本当はどうしたい?」や「どうなりたい?」などが当てはまります。 これら拡大質問はより短く単純である方が不意打ちな問いである事が多く、クライアントがより気づいていない本質へと導かれます。

まとめ

簡単ですがコーアクティブ・コーチングの技術で特に印象に残ったポイントをあげさせていただきました。 マンガでやさしくわかるコーチングには他の技術的なポイントはもちろん、そもそものコーアクティブ・コーチングの概念など丁寧に記述されています。私のようなコーチング入門者の方にはおすすめです。ぜひ手に取ってみてください。

【読書感想文】神・読書術

今回読んだ本は「神・読書術」です。

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著者はビジネス書・新書の書評・要約メディア「bookvinegar」の編集長で、「朝、カフェで読書会」の主宰を行う坂本海さんです。ピークには年間500冊の本を読み、これまでに2000冊以上の書評を行ってきたそうです。現在もスタートアップの手伝いをしながら年間300冊を読んでいる筋金入りの読書家です。 そんな坂本海さんが今までの読書経験を元に培ってきた読書術をまとめたのが本作になります。

本作で著者が言いたいポイントは、一部の部分を除いて、どれも凡庸で、1つ1つは決してレベルの高いことを言っているわけではありません。読書を速くするためにはフォトリーディングなどの速読術を思い浮かべる方が多いと思います。しかし、本作はそのような「技術」ではなく「一定の決まりごと」によって読む量を増やすことを目的としています。誰でも読む量を増やすことができる良作なのではないでしょうか。

選書を効率的にする7つの技術

そもそも「読書」は「知識を増やすため」に行うもので、「読書時間を短くすること」は「少ない時間で知識量を増やすこと」が目的と捉えることができますよね。読書時間を短くすることと同様に、実は選書(本を選ぶこと)は「インプットとなる知識量を増やす」という意味で非常に重要です。

私はあまり「読書術」に関する本を読まないので、「選書」をテーマに一章使っていることは非常に印象的でした。

「特にアマゾンのレコメンドは偏りがち、書店をめぐる方が良い本に出会う確率が高い」と言った内容はすごく納得感があります。 また、プロの書評を通じて気になる本を探す、と言ったことは私はしたことがないので、非常に参考になりました。

4段階ステップ読書法

読書をする人のレベルには段階があり、それらのレベルとそれに対応した読書法が4段階ステップ読書法です。 細かな説明は割愛しますが、特に印象的なのが「面白くなかったらその本を読むのをやめろ」と言った内容が印象的でした。面白くない本を読んでいて、いつの間にか読書自体がフェードアウトしていることはあるある話だと思うので、今度面白くない本があった場合はさっさと読むのをやめようと思います。

まとめ

上記以外にも読書術として、誰しもが真似できるポイントが書かれています。 これから読書で知識を増やしていきたい方はもちろん、今以上に読書を効率的にしたい方はぜひ本書を手にとってみてはいかがでしょうか。

【読書感想文】「完璧なリーダー」は、もういらない。

今回は 「完璧なリーダー」は、もういらない。を読みました。

この本は、漫画「宇宙兄弟」のストーリーを抜粋・解説しながら、世間一般的に良しとされている「完璧なリーダー」は不要だということを解説している本です。 宇宙兄弟を読んだことがある人であればもちろん、知らない人でもエピソードからどのようなリーダーとして振舞うべきかを丁寧に解説してくれます。

全体を通して学ぶ点が多いのですが、今回は特に感心した3点をピックアップしたいと思います。

愚者風リーダーシップのススメ

この本では「賢者風リーダー」と「愚者風リーダー」の2パターンのリーダー像から、どのようにチームビルディングをしていくべきかを語られています。

「賢者風リーダー」は頭が良くて周りをグイグイと引っ張っていき、周りのメンバーは優秀な人物として従っていて、リーダーの指示に従っていく。一般的によくある「素晴らしいリーダー」を思い浮かべていただけると良いかと思います。そんな「賢者風リーダー」は「should(〜しなければならない)」で指示を出します。

対して「愚者風リーダー」はメンバーや周りに意見を求め、「こうしたい」といった意見で周りを巻き込んでいきます。そのため、メンバーは自分たちがリーダーを支えていると思うくらい頼りにされていないかもしれません。「愚者風リーダー」は「賢者風リーダー」のような的確な指示はなく「こうしてほしい・こうしたい」といったニュアンスで指示を伝えます。

なぜ「愚者風リーダー」がいいかというと、「賢者風リーダー」の引っ張るチームの場合、間違いをしてはいけないというプレッシャーが常に付きまといます。そして成功することが当然となり、周りと比較して成果にギャップがあると自分が評価されていないと感じてしまいます。

実際に私のチームで起きたことですが、「賢者風リーダー」的思想を持つ人の場合、自己顕示欲が強くて船頭になろうとマウントを取りたがります。そうするとだんだんとメンバーは自分の意見を言わなくなり、考えることをやめます。そしてこの「賢者風リーダー」的思想を持つ人がチームが課された課題を本質的に理解していない場合、誤った方向に導いてしまいまうことがあるでしょう。

そのようなことを起こさないためには「愚者風リーダー」思想を持っていたほうがいいでしょう。全員が1つの目標に対して何をすべきかを考え、なぜそれをするのかきちんとメンバーでコミュニケーションを取ることが大事です。

意見の対立には、反論よりも効果的な方法がある

人はどうしても主観的に物事を考えがちです。主観的な考えばかりを主張していると他のメンバーと揉めるでしょう。それが建設的な議論になるかどうかは「相手の目線に立ってみて、どのような理解になるのか」をお互いに考えないといけません。

この考え方、実はすごく難しいですよね。どうしても自分の意見を主張するために相手を否定し、反論しがちです。ですが、このようなやり方で議論をしても相手を淘汰しようとするだけで、現実的には前に進まないことが多いと思います。

「あとちょっとだけ頑張る」のすごいパワー

どうしても高い目標を達成しようとするために「今の倍頑張っていこう」といった日々の目標を立てたりする方も多いのではないでしょうか。確かにチームのメンバーが全員それをできるなら問題ないのですが、人数が多ければ多いだけ、その目標は達成できないでしょう。そのようなときには「今よりもあと少しだけ頑張ろう」といった目標にした方が達成できる可能性があるため良いです。 そしてこの考え方だと、継続率が高いと思われます。常にパフォーマンスを出すためにも、この考え方に習って「今よりもあと少しだけ頑張ろう」と常に一歩先の目標を短期的な目標にしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

このように「完璧なリーダー」は、もういらない。では、上記の3点以外にも素晴らしいリーダーに対する考え方を提唱してくれています。 もしも興味ある方がいたら、手にとって本書読んでみてください。

【読書感想文】荒くれ漁師を束ねる力

今回読んだ本は「荒くれ漁師を束ねる力 ド素人だった24歳の専業主婦が業界に革命を起こした話」です。

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著者は萩大島船団丸代表(株式会社GHIBLI 代表取締役)の坪内知佳さんです。坪内さんが代表を務めている萩大島船団丸(株式会社GHIBLI)を立ち上げからの活動が記されている手記となる本作、非常にエネルギッシュで怒涛の数年が書き記されています。

漁業と言われる素人がなかなか立ち入ることのない業界に、素人かつ女性ということで非常に苦労を感じましたが、読みきった後には大変そうというよりも活力を頂ける良作と感じました。

なぜそのように感じたのか、数点ピックアップして感想を述べていきたいと思います。

自分の境遇を乗り越えるほどのエネルギッシュさ

坪内知佳さんの略歴を簡単に記載させていただきます。

1986年福井県生まれ。
余命半年の疑いがかかったことを機に大学を中退し結婚、山口県萩市に移住。一児の母。
シングルマザーとなり、企業を対象にした翻訳とコンサルティング業務に従事。
そんな折、山口県萩市にある「大島」で漁師をしている長岡さんと出会い、萩大島船団丸を立ち上げる。
萩大島船団丸では「鮮魚BOX」という漁師が獲った魚をすぐに捌いて梱包、日本各地へ自家直送するという「漁師の6次産業化」を成立させる。また、そのビジネスモデルを日本全国へ展開させるという活動も行なっている。

上記の通り、余命宣告やシングルマザーとしての生活など紆余曲折を経ております。

私自身は、比較するものではないですが、坪内さんと比較すると平凡な人生だったのと、その境遇を活かして活動を起こすパワーに読んでいて圧倒されました。

まさに「今を生きる」とはこういうことなのだと考えさせられます。

汗水流して働いた人が幸せになるためのビジネスモデルを確立したこと

この本は萩大島船団丸の6次産業化への取り組みを始めてから現在までについて記されている本です。

6次産業化とは、農林水産省が推進している農林漁業の6次産業化 のことです。 これらを推進することによって、雇用が新たに創出され、その地域が活性化されるというメリットがあるそうです。

萩大島船団丸では六次産業化法の認定事業者第一号となり、「鮮魚BOX」という漁師さんたちが獲った魚を活け締めして店舗などに直家出荷するサービスを始めることになります。 これを始めるためのエピソードや苦労はたくさん本に書かれていますが、市場という仲介業者をすっ飛ばす新しいスキームを確立させるところは何よりもパワーが必要な取り組みだったのではと思います。

それにより鮮魚BOXへの取り組み自体が行えるようになり、結果として今までキャッシュフローが安定しなかった漁師の方達に毎月「給与」を支払えるほどになり、ビジネスとして成功することになります。

1次産業の衰退はたまに話を聞きますが、萩大島船団の事例は良いビジネスモデルとして非常に参考になります。

最後に

1次産業を6次産業化するというと難しく感じるかもしれませんが、漁師さんの仕事はどなたでも漠然とイメージ持っていると思いますので比較的すんなりと読めると思います。 また業界限らず、プロジェクトをマネジメントしなければならない立場の方は、この周りを突き動かすエネルギーを読む価値ありだと思います。

【読書感想文】Vue.js入門 基礎から実践アプリケーション開発まで

とても良本だったのでおすすめです。
正確にはまだ読みきっていません。。。が、備忘録がてら良し悪しを残しておきます。

http://amzn.asia/d/ibr7nAV

良かったポイント

  1. 体系的に習得できること
  2. 情報量が多いこと

では細かく理由を記載していきます。

体系的に習得できること

今まで、Vue.jsに限らずですが、フロントエンドの技術はネットからしか習得できなかったかと思います。 技術進歩が著しいためでしょうか、出版物はあまり多くありませんでした。

また、Vue.jsは利用している方も多いのでネットにはたくさん情報があるのですが、どうしてもスポットの情報収集になりがちでした。

この本はタイトルの通り入門向けに作られています。

私は仕事で2年ほどVue.jsの案件に関わってきました。 ですが、この本を読むことによって頭の中がすっきりとまとめられたように感じています。

情報量が多いこと

この本は463ページ もある、結構ボリュームの多い本です。 少し目次を紹介させていただきます。(大項目のみです)

  • 1. プログレッシブフレームワークVue.js
  • 2. Vue.jsの基本
  • 3. コンポーネントの基礎
  • 4. Vue Routerを活用したアプリケーション開発
  • 5. Vue.jsの高度な機能
  • 6. 単一ファイルコンポーネントによる開発
  • 7. Vuexによるデータフローの設計・状態管理
  • 8. 中規模・大規模向けのアプリケーション開発① 開発環境のセットアップ
  • 9. 中規模・大規模向けのアプリケーション開発② 設計
  • 10. 中規模・大規模向けのアプリケーション開発③ 実装
  • Appendix. jQueryからの移行/開発ツール/Nuxt.js

上記の通り、Vue.jsの設計・実装に必要なことが網羅されています。 また、最終章のAppendixにはStorybookやTypescript、Nuxt.jsなどVue.jsにまつわる技術についても記載されているため、より開発をスピードアップさせてくれるでしょう。

「仕事や趣味でVue.jsをいじってきた」という既習の方も、今までのやり方を見返すためにも読んでみてはいかがでしょうか。

悪かったポイント

このボリュームの本なので、前読んだところを検索したくなることが多々あります。 ですが、この本は索引が少ないです。 よく見返すポイントには都度付箋をつけながら読めば問題はありませんが、できれば索引も充実していただきたかったです。

最後に

良し悪しを総合して、私は良本と思っています。
タイトルの通り、これからVue.jsを始める人はもちろん、既習の方も持っておいて損はない本です。

まだ、初めの方しか読んでいないのですごく短くなってしまいましたがこれから読むのが楽しみな本です。